METALIC様、インタビューの機会をいただき有難うございます!
漢字一文字でMETALICというバンドを表すと? なぜ、この漢字を選んだのですか?
藤崎賢一:銀。
鈍い濡れた光を放つように。
ぎゅう:「円」。
グルグル円を描きながらどんどん形をなしていくようなイメージ。最初はポンっと生まれた風の集まりみたいな、色々な偶然が重なって生まれた小さなつむじ風みたいだったけど、どんどん周りも色んなものも巻き込んで、自分たちの意思だけでなく色々なチカラが加わって、どんどんデカく威力を持っていく感じ。
自分自身を、好きな漢字一文字で表すと? なぜその漢字を選びましたか?
藤崎賢一:「夢」。
たとえ儚いものだとしても少しでも前に進む原動力になる。
ぎゅう:「流」。
流れるままに生きる。
ミュージャシャンになった理由は?またミュージシャンになるためのインスピレーションとなったアーティストは誰ですか。
藤崎賢一:ミュージャシャンになった理由は正直よく分からない。
振り返れば、ただバンドが楽しかったから続けられただけなのかもしれない。
音楽で自分を表現する事は時に感動を呼ぶから、その感情に惹きつけられたんだと思う。デビュー前の10代の頃にインスピレーションをもらったバンドは、当時、沢山存在してたカッコいいバンド達。挙げたらキリないけど、、THE DAMNED、NEW YORK DOLLS、HANOI ROCKS、STRAY CATS、THE WILLARD etc…
ぎゅう:尊敬しているミュージシャンがいて、その人のようなカッコいい人間になりたくてバンドを始めました。そのミュージシャンに出逢わなかったら、まったく違う人生になっていたと思う。
最近はどのようなアーティストの曲を聴かれていますか?
藤崎賢一:Against Me!、The Living End、QUEENS OF THE STONE AGEはプレイボタンを押す回数が多い。
ぎゅう:自分が十代の頃によく聴いていたバンドを聴き直しています。
今まで在籍してきたバンドとMETALICではどのような違いがありますか?
藤崎賢一:俺がヴォーカルをメインで担ってたバンドや、ライブで数曲ギターを弾く事もあったバンドやソロ名義での立ち位置とは違い、全曲ギターを弾いて歌ってるって事がやっぱり一番大きな違い。あと、女性ドラマーとバンドを組むのも初めての経験。
ぎゅう:とても大先輩とやっているので、失言とかで失敗することが多い。
これまでのバンドキャリアが現在にどのような影響を与えていますか?
藤崎賢一:それぞれの「点」が繋がって「今」なんだと思う。キャリア自体は特に意識した事もない。いつだって今が一番と思って自分の音楽と向き合ってる。
ぎゅう:「現在」は過去の集約で成り立っているものだと思うので、これまでの色々な経験のすべてのおかげで今が成り立っていると思います。
これまでのバンドキャリアの中で最高のライブの思い出は何ですか?
藤崎賢一:俺の中で「最高=胸が熱くなる」って事なんだけど、そんなライヴは数知れずある。METALICも含め、これまでやって来たバンドすべてにそれはある。キリがなくて選べない。
ぎゅう:一回一回思い出深く選べないです。
ロックバンドにとってライブが大事なのはなぜですか?
藤崎賢一:自分自身だったり、バンド自体のその時その時の良いも悪いもありのままが出るから。それこそがライヴだしロックバンドだと思う。ライヴは未来に繋がる。
ぎゅう:ロックは感じるものだから。観るとか聴くだけのものじゃないから。
藤崎さんにとってMETALLICのライブは、なぜ、楽しい挑戦なのでしょうか?
藤崎賢一:歌が楽しい。
そして、ギターという歌とはまた異なる自分を表現する楽器の存在が楽しい。
そりゃうまく行かないライヴもある。ライヴだから。それもライヴだから。でも、ギターを全曲弾いて歌うという事は今までとは違う自分自身に出会えるし新しい自分自身に向き合う事。新しい自分に向き合う事が俺にとっては挑戦。ライヴはそれの連続。ライヴの度にそう感じられる事は有り難い事だと思っています。
1st&2ndアルバムを「NIGHT SIGNAL」と「Mass of Masses」というタイトルにした理由は?
藤崎賢一:どっちのアルバムも歌詞を書いた俺がメンバーにアイディアを出して提案をして相談して決めた。
「NIGHT SIGNAL」は自分自身が誰かにとって、真っ暗な夜を照らす一つのランプのような存在になれたらと思った曲だから、新しいバンドの1stアルバムにその感情がぴったりだと思って。
「Mass of Masses」はもっと沢山の人達にMETALICの音を届けたいって気持ちがより強くなってたから、そんな気持ちを込めてつけた。
ぎゅう:藤崎さんが決めました。
「Mass of Masses」は「NIGHT SIGNAL」とは何が異なりますか? もしそうなら、違いは何ですか?
藤崎賢一:「NIGHT SIGNAL」の時は「3ピースバンド」という形での表現の比重を置いて取り組んだ感が強い。「Mass of Masses」の時はもっと楽曲に重きを置いたかな。
ぎゅう:「NIGHT SIGNAL」はバンド結成して間もなく作ったものだったので、「METALICとは何か」というのを念頭に置きながら、皆んなで1つの目的地を目指して作った感じがあるけど、「Mass of Masses」は最初から「こういうアルバムにしよう」とかなり具体的に構想ができていました。セルフRECだったり藤崎さんが全部ミックスしたり、ジャケットとかアートワークも「こうしよう」ってかなり具体的にアイデアを出して具現化していったので、目的の場所に行くよりも、「こうしたいよね」って物をコネコネぐねぐね練って産み落とした感じ。
歌詞を書く時のインスピレーションは何ですか?
藤崎賢一:感情を言葉に乗せて心から吐き出すって事は、その時その時の自分と向き合う訳で。ある種、「セラピー」みたいなもん。インスピレーション自体は今生きてるこの世界の事だったり、過去も含めての喜怒哀楽や、忘れられない感情だったり、心の奥底にある景色かな。
2ndアルバムを制作しているときに、一番楽しかったことは何ですか?
藤崎賢一:ミックス作業以外は全部楽しかったかも。ミックスは大変だった。でも、振り返れば一番ミックスが楽しかったかもしれない。メンバーに音をミックスを聴いて貰ってOKが出た時は救われたしやっぱり楽しく作業出来た。
ぎゅう:全体的に楽しかったような感覚があるけど、具体的に思い出そうとすると大変だったことしか思い浮かばない。何かを作る時やLIVEもそうだけど、その時は大変な事ばかりであまり余裕がなくて、後から思い返してぼんやり「楽しかったなぁ」って思うことが多い。
メタリックの中で気に入っている曲と理由を教えてください
藤崎賢一:自分の書いた曲達、全部。気持ち込めたから。
ぎゅう:ひみつです。
今までの音楽活動の中で、一番貴重な出来事は何でしょうか?
藤崎賢一:この年齢まで歌い続けられてるって事かな。
それは自分にとって凄く貴重な出来事。
ぎゅう:藤崎さんとバンドやってること。
音楽業界で長く活動しておられますが、キャリアスタート時と比べて最も変化した点はどこですか?
藤崎賢一:自分と闘う場面が多くなった。
そして歌を、自分の中から湧き出る音楽を、もっと好きになった。
ぎゅう:私は長くないけど、裏方からいつの間にか表舞台に出る人間になった。
アーティスト活動を続けて行く中で一番難しい点は?
藤崎賢一:自分との闘い。
ぎゅう:何かを創造する人がアーティストっていうならば、アーティストでいること自体は何にも難しいことじゃないと思う。
けど、生きることと同じで余計なしがらみやら悪意やら邪魔がたくさん入るから、うっかりしていると純粋な気持ちや意欲がそういう下らないことでどんどん削がれていくから、そういう部分が難しいというかクソうざい。
あなたを笑顔にするものは?
藤崎賢一:応援してくれる方達。
ぎゅう:自分以外の誰かの笑顔。笑顔だけじゃなくて、周りの人の感情や気分に左右されやすいみたいです。
このインタビューは海外にも発信されます。もし海外で住むならどの国で暮らしたいですか?
藤崎賢一:昔、Justy-Nastyのレコーディングとジャケットと写真集の撮影で行ったオランダは凄く素敵だった。前々からまた行ってみたいなと思ってるし、出来る事なら暮らしてみたいなとも思う。あと、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、オーストラリア、ハワイ、景色の良い街。
ぎゅう:差別の少ない国。国民のことをよく考えている国。
将来の究極の目標は?
藤崎賢一:死ぬまでずっと音楽が傍にいてくれたらいいなと思う。
終点に辿り着く事。
ぎゅう:色々あるけど生き抜くこと。
ファンに向けて、アーティストとしての信念や座右の銘があれば教えてください。
藤崎賢一:MY LIFE IS MY LIFE。自分の人生、自分が主役。
時に走り、時に立ち止まり、時に振り返り、誰に遠慮する事なく命を燃やしたい。
ぎゅう:アーティストじゃないから質問の答えとしてあってるのか分からないけど、自分は音楽に導かれて生きる力を与えてもらってここまで生きてきた。
音楽は好きとか嫌いとかって問題以前の、衣食住と並ぶ、自分にとって生きていく上で必要で大切なことで、そういう感覚を持っている人は沢山いると思うんだけど、そういう同じような感覚や気持ちで生きている人たちと、色々な感情や時間や景色を共有出来たらいいなと思ってます。何十年も前の音楽や何百年も前の物語が今も誰かの胸を打つように、時の流れなど関係なく誰かの心に寄り添えるような、そんなものを残していけたら良いなと思っています。世の中が大変なことになってしまっているけど、頑張って何かを残したいです。
ファンと読者のメッセージをお願いいたします。
藤崎賢一:まず、この機会をくれたJROCK&ROLLに心から感謝を。
そして、いつも応援してくれる方達にも心から感謝を。
そして、この機会にMETALICに興味を持ってくれた方達にも心から感謝を。
今、世界は新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない状況だけど、引き続き体調に気をつけて皆んな健康で穏やかに過ごして下さい。
新型コロナウイルスの影響でLIVEがもう何公演も中止になったり延期になったりしてます。
一日も早く事態が終息し、またLIVEで会える日を夢見ています。
それに新しいベースプレイヤーも早く迎え、METALICを未来に進めて行こうと強く思っています。
ぎゅう:こんな大変な時期だし、それでなくても時間がなくてすることばかり増えて、生きることに皆んなが精一杯で毎日とても疲れているのが、今の時代だと思います。将来に希望がない世の中だし、不安ばかりだと思います。
でも、ひと時でも気持ちが和らぐような、痛みや苦しみを忘れることが出来るような音楽を作って、みんなで楽しく共有できたら良いなと思っています。
色々なことが変わっても、変わらないものがあると思うので、そういうものをこれからも大切にMETALICは進んでいきたいと思っています。
なんやかんや色々な気持ちがたくさんあるんだけど、また元気にお会いしましょうね、ってことに尽きます。
インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございます。
今後益々のご活躍をお祈りします。
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